第162章 私にとって死にに行くようなものだ

柏原藍子が一瞬見せた後ろめたさ。

それを、福田祐衣は鋭く捉えていた。

その瞬間、彼女の虚ろな瞳は危うく綻びを見せかけ、激しい羞恥と怨嗟の光を放ちそうになった。

幸い、柏原藍子は病室に横たわる柏原大空のことばかりを気にかけており、視線が定まらなかったため、福田祐衣の異変には気づかなかった。

福田祐衣は深く息を吸い込み、両目をきつく閉じた。

しばらくして、彼女の口元から冷ややかな笑みが漏れ出し、それまで抱いていた羞恥や失望といった感情を完全に塗り替えていった。

わかっていたことではないか。柏原家には最初から良心などなかったのだ。

今、それが完全に露呈したに過ぎない。

おかげで、彼...

ログインして続きを読む